炭酸カルシウム博物館

炭酸カルシウムの産地・由来

炭酸カルシウムの起源

地球には炭酸カルシウムがとてもたくさんあります。その埋蔵量は現在の使用量を考慮すると殆ど無尽蔵といってよいほどです。それではなぜ地球にこれほど多量の炭酸カルシウムが存在するのでしょうか?
それは太陽系の惑星の中で地球だけが辿った運命、生命誕生につながる環境の変化がもたらしたものなのです。
地球が誕生したのは46億年前です。当時の地球は今の地球とは似ても似つかないものでした。大気の主成分は二酸化炭素と窒素であり酸素は殆ど存在しませんでした。下の表は原始地球の大気組成を、現在の地球、金星、火星の大気組成と比較したものです。大気圧はそれぞれ異なりますが、大気の組成に注目すると、現在の地球の大気は窒素と酸素であるのに対して、金星と火星の大気は原始地球の大気と同じ二酸化炭素と窒素です。
どうしてこのような違いが起こったのでしょうか?

現在の金星、地球の大気組成

  原始の地球 地球(現在) 金星(現在) 火星(現在)
大気組成 二酸化炭素(主成分)
窒素
水蒸気
二酸化炭素 0.035%
窒素 78%
酸素 21%
二酸化炭素 96%
窒素 3%
二酸化炭素 95%
窒素 3%
大気圧 数十MPa (数百気圧) 0.10MPa (1気圧) 92MPa (920気圧) 0.0007MPa (0.007気圧)
原始地球の大気に存在した多量の二酸化炭素は、その殆どが石灰石つまり炭酸カルシウムとなって大気中から取り除かれ地球に吸収される運命を辿ったのです。なぜ、地球だけにそのような変化が起こったのでしょうか?
地球には二酸化炭素を多量に溶かすことのできる水(海)が存在しました。海に溶け込んだ二酸化炭素は、岩石から溶け出したカルシウム(カルシウムイオン)と化合し、炭酸カルシウムとして海底に堆積してゆきました。
そして、生命の誕生により更に急激に二酸化炭素は減少することになります。
つまり、サンゴ、貝、フズリナ、ウミユリなど、石灰質の殻を持つ生物が現れ、炭酸カルシウムの殻を作るために急速に二酸化炭素を吸収してゆきました。蓄積された炭酸カルシウムの一部は地殻変動などで地下のマグマに取り込まれ、高熱のために分解して再びカルシウム分と二酸化炭素に分解しましたが、そのほとんどは地殻に蓄積され続けました。
その一方で、光合成をする生物により酸素の濃度は増えてゆきました。
このようにして原始地球は、気の遠くなるような長い時間を費やしながら現在の環境へと徐々に変化し、代わりに炭酸カルシウムが蓄積され続けたのです。
すなわち、炭酸カルシウムは地球のような惑星にしか無く、ある意味で生命の存在を象徴する物質であるといえます。逆に金星や火星などでは海や生命を示唆するような大量の炭酸カルシウムは見つかっていません。
将来、火星に移住するといったことが現実になった場合、火星に建設するビルのセメントとして使われる炭酸カルシウムは、はるばる地球から輸出しなければならないかもしれませんね。
国内にある石灰石鉱床の殆どは、古生代石炭紀から二畳紀にかけて(2億年から3億年前)出来たものと言われています。
当時の状況は、およそ次のようなものだったと考えられます。
当時、地球にはパンゲア大陸という一つの大きな大陸がありました。
恐竜が地上を支配した時代よりも以前、シダ類の巨木や裸子植物が茂る大陸の主役は巨大トンボやゴキブリのような昆虫類や両生類などの生き物であり、爬虫類も次第に勢力を伸ばしていました。
海ではシーラカンスや肺魚などの硬骨魚類が繁栄する中、パンゲア大陸の赤道付近に広がっていたテーチス海では珊瑚礁が広がり炭酸カルシウムが蓄えられていきました。
世界規模で起ったバリスカン造山運動により、日本列島の骨格をなす秩父古生層が形作られたのもこの頃です。
その後、パンゲア大陸は現在の7大陸に分離し現在の位置まで徐々に移動してゆきました。

炭酸カルシウムの産地〜カルスト台地〜

石灰岩地域には「カルスト」という特異な地形が形成されます。
カルストというのは石灰岩の大地が雨によって浸食されたことによって形成されたものです。これは、後に説明するように炭酸カルシウムが水(炭酸ガスを含んだ水)に溶けやすいという性質によるものです。石灰岩の大地に降った雨水は地表を流れ石灰岩の割れ目から地中に浸透し石灰岩を浸食し、長い時間をかけて特徴的な地形を形成するのです。
このようなカルストは、日本では九州の平尾台、山口県の秋吉台、広島県の帝釈台、四国カルスト(大野ヶ原)、近江カルスト、青海カルスト、八戸カルストなど全国に点在し、鍾乳洞や石塔群などの特異な景観をもつ景勝地として知られています。
もちろん、カルストは日本だけでなく世界中に分布しています。中国の桂林などはあまりにも有名ですね。
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